行政書士は書類の作成が主な業務です。依頼を受けて業務を完遂するためには、法律や制度などの知識も必要になります。
行政書士として成功するためには、こうしたスキルが重要なのですが、他にも必要だと言われているスキルがあります。それは、人とコミュニケーションを取るスキルです。
行政書士を目指している人の中には、人と話をするのが苦手という人もいると思います。
今回の記事では「人と話すのが苦手だと行政書士として活躍できない?」という疑問について、行政書士の資格で開業した経験から答えます。記事の後半では、人と話すことの必要性や克服方法なども解説します。
「人と話すのが苦手」だと行政書士として活躍できない?
人と話をすることが苦手という人でも、行政書士として活躍することはできます。
行政書士に限らず、どの仕事をするにも「人と話す」ということは、仕事をするうえでとても重要なことです。
まったく人と会話ができないというのは問題ですが、苦手でも多少人と話せるのであれば、行政書士として開業しても何とかなります。
「取扱業務」や「お客さんとコミュニケーションの取り方」を工夫することができるからです。
お客さんとの会話を少なくする方法としては「メール」があります。メールを活用すれば、人と会話をする機会を極力減らすことができます。
メールの活用
行政書士の業務範囲は広いので、選ぶ業務によっては、ほとんどメールだけで完遂させることができる業務もあります。
例えば「内容証明作成」などの業務です。
メールでやり取りして、依頼人が希望する内容証明を作成。それを郵便局に出せば業務完了です。内容証明作成業務は、ホームページなどを活用して全国対応で依頼を受けることができる点も魅力のひとつです。
できる限り、人と話さないで仕事がしたいという方は、内容証明作成業務の取り扱いを検討してみるのがおすすめです。
ちなみに面談など、人と直接会って会話をするのが苦手という人は、メールに加えて電話やFAXを利用すれば、内容証明以外にも業務の幅を広げていくことが可能です。
電話の活用は、あらかじめ必要書類を郵送で依頼人に送っておいて、届いたら同じ資料を見ながら電話で説明できるので便利です。
人と話すことの必要性
行政書士の仕事は、依頼人の話をしっかりと聞くことから始まります。
依頼人が何に悩んでいるのか?
どういった解決を望んでいるのか?
など、依頼人のニーズを正確に理解する必要があるからです。行政書士は、そういった情報をもとに、必要な手続きのための書類作成を行います。
なので、しっかりと依頼人の話を聞くことができなければ、行政書士としての役割を果たすことができません。
しかし、依頼人の話を聞くだけで業務をすることができるかというと、それも難しいです。依頼人の話だけでは、手続きに必要な情報が分からない場合があるからです。依頼人のニーズを理解しつつ、書類作成に必要な情報も質問し把握しなければなりません。
こうした、依頼人とのコミュニケーションは、業務を完遂するためには不可欠です。
どんなに人と話すことが苦手な人でも、努力や工夫しだいでは、必要最低限のコミュニケーションをとることはできます。次の章では、克服方法について解説します。
人と話すことが苦手な行政書士のための克服方法
先ほど説明したように、人と話すことが苦手でも行政書士として活躍することはできます。しかし、それを克服できれば、行政書士としての活動も広がってきます。
克服方法をご紹介しますので、人と話すのが苦手という方は試してみてください。次のポイントを参考にして、行政書士としてのコミュニケーション能力を向上させてみましょう。
- 依頼人と話す準備をする
- 普段から人と話す練習をする
- できる限り専門用語は使わない
順番に説明します。
依頼人と話す準備をする
人と話すのが苦手な人が、何の準備もしないで依頼人と話をするのは危険です。事前にしっかりと対策を立ててから依頼人と面談をしましょう。
依頼人との面談の前に次のことをしっかりと整理しておきます。
- 依頼人に質問する内容
- 依頼人に説明する内容
2つ目の「説明」にあたっては、自信がなければ書面しておくことをおすすめします。
ただし、最初から書面を渡すのではなく、まずは書面なしで説明してみて会話をする練習をしましょう。書面に頼っていたら、いつまで経っても依頼人とのコミュニケーション能力は向上しませんからね。
ちなみに、上手く説明できてもできなくても書面を依頼人に渡しましょう。上手く説明できない場合は、書面を渡せば説明した内容を理解してもらえますし、上手く説明できた場合でも、口頭の説明に加えて書面を渡すのは親切ですから。
こうした感じで、事前に準備をすることで、人と話をするハードルも下がるので不安も経験しますし、話もスムーズに進みます。
普段から人と話す練習をする
いきなり行政書士として依頼人と話をするのが不安という人は、普段から友人や仲の良い行政書士と会話の練習をしましょう。
ちょっとした集まりの際に積極的に話しかけていきます。失敗してもいいので気楽に話すのがポイントです。そういった場所で、うまく話ができた体験を積んでいけば少しずつ自信がもてるようになります。
自信がもてれば業務で人と話をするときも苦手意識がなくなります。ちなみに、うまく会話ができているのか友人などの意見を聞くのも参考になります。
できる限り専門用語は使わない
依頼人とコミュニケーションがうまく取れない行政書士の中には「専門用語」が原因のこともあります。
普段、同業者や他士業との会話に慣れすぎて、依頼人に対しても同じように専門用語を使って話をしていませんか?
依頼人は素人なので、専門用語を理解していませんし、専門用語が分からなくても「知らないと恥ずかしいのかも・・・」「説明を遮るのが申し訳ない・・・」という理由から質問してこない人が多くいます。
依頼人とコミュニケーションをとるためには、分かりやすく説明することも大切です。できる限り「難しい言葉」を「分かりやすい言葉」に変換して話すようにしましょう。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。