今回は、行政書士への「依頼」に関する記事です。
依頼を受けるときに注意すべきことは?
という質問について解説します。
依頼を受けるにあたって、注意すべきことに注意しないと、作成した書類を作り直したり、手続きが遅れたりすることがあります。また、自分自身が大変な思いをするほか、依頼人や関係者などにも迷惑をかける可能性があります。
開業して間もない行政書士向けの記事です。
この記事が、依頼を受ける際の参考になれば幸いです。
依頼を受けるときに注意するべきことは?
それは、依頼人の話を鵜呑みにしないということです。
依頼人の話は、間違っている可能性があるので注意が必要です。間違った情報を鵜呑みにして依頼を遂行すると、後々必ずどこかでトラブルとなりますからね。
間違いのほとんどは依頼人の勘違いが多いのですが、中には嘘をつく人もいます。
とにかく鵜呑みにしないことが大切です。
依頼人の言うとおりに書類を作成しなければならない?
たしかに依頼人の言うことも大切ですが、違法だったり、先ほどのように間違っていたりすることもあります。
必ずしも、依頼人の言うとおりに書類を作成する必要はありません。場合によっては、行政書士が責任を問われる可能性があるからです。
間違っている部分や違法な部分は、専門家として指摘してあげる必要があります。トラブルを予防するためにも、そのあたりはしっかりと判断しましょう。
依頼人の言うとおりに書類を作成してミスした話
開業して間もない頃に、依頼人の言ったとおりに作成した書類が間違っていることがありました。
許認可の要件に影響する部分ではなかったので、依頼人の嘘とかではなく、単純な勘違いだったのですが、修正するのに官公署へ行ったりと半日かかりました。
詳しくは書けませんが、間違った部分というのが、本来であればうっかりでも間違えるはずのない部分だったので完全に油断しました。
よくよく考えてみると、他の書類をしっかりと確認していれば、気が付くことができたところだったので、私自身も反省したのを覚えています。
私はこれ以降、すべての書類をしっかりと確認し裏付けをとるようになりました。必要があれば、依頼人に事情を話して追加で書類を取り寄せることもあります。
依頼人の嘘や勘違いなどの間違いに気がつくためには?
これはもう「裏付け」をとっていくしかないでしょう。依頼人の話で、怪しいと思ったり、違和感を感じたりしたら、それが正しいと判断するための確認をとるようにしましょう。
なんとなくで判断するのではなくて、依頼人が話した内容を証明できる官公署が交付する書類があるといいです。依頼人が勘違いしている可能性もあるので疑うことも必要です。
依頼人の嘘や勘違いがないにしても、書類に不備があると何かと面倒なので、業務を遅らせないためにも裏付けをとっていくことは大切です。
例えば、遺産分割協議書の作成を依頼されたとします。依頼者だけの話で作成しても相続人が漏れていては意味がありません。
遺産分割協議書には相続人全員の署名捺印が必要だからです。なので、しっかりと被相続人の戸籍を取り寄せて、書類の作成前に相続人の裏付けをとっていくことが大切です。
この分割協議書の例えを聞いて、当たり前と思った行政書士も多いと思いますが、実は知っている行政書士が実際に確認をとらないで作成してしまいトラブルになった実話です。大事にはなりませんでしたが、その行政書士はすべての相続人に謝罪する結果となりました。
注意するべき依頼人の話
次のようなことがあったら要注意です。
- 依頼人の話に矛盾している点がある
- 依頼人言っていることが途中で何度も変わる
- 質問に対して、曖昧な答え方をする
こうした場合、嘘を言っている可能性もあるので、書類を取り寄せるなどして、しっかりと裏付けをとって確認するべきです。
やっかいなのが、依頼人の勘違いです。すぐに気がつくときもあれば、依頼人に間違っているという自覚がないので、こちらも気が付くのが遅れることがあります。
これは、業務を進めていく中で、その都度、確認していくしかないと思います。経験によるところが大きいですが、なんとなく「違和感」で気がつくこともあります。
先輩行政書士を頼る
開業して間もない頃は、先輩行政書士を頼るのがおすすめです。
初めて受任する業務の依頼だと、業務を遂行していく中で違和感があっても、どのように対処していいか分からないときもあると思います。
先輩行政書士は、同じような経験をしてきていますので、適切な対処法を知っているはずです。相談することで問題を未然に防ぐことができます。
ちなみに、先輩行政書士を頼るには、普段から付き合いが大切です。所属している支部の活動に積極的に参加して良い関係を築いておきましょう。
私は行政書士歴がそこそこ長いですが、今だに先輩行政書士のお世話になるときがあります。人間関係が苦手という人にとっては、支部活動は苦痛なのかもしれませんが、仲良くしておいて絶対に損はないです。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。