今回は、開業後の行政書士に関する記事です。
行政書士を辞めたいと思うときは?
という疑問について、行政書士の資格で開業した経験から解説します。
私の経験だけでなく、行政書士仲間や、実際に行政書士を辞めた同期の話などもご紹介します。
行政書士を辞めたいと思うときは?
私も、行政書士になってから辞めたいと思った経験があります。
次のようなときです。
- 仕事がないとき
- 頼る人がいないとき
- 大変な割に報酬が少ないとき
実際には、行政書士の仕事は辞めませんでしたが、こういった状況が長引いていたら、どうなっていたか分かりません。
順番に説明します。
仕事がないとき
開業して間もない頃の話です。
仕事がないという状況は、本当にきついです。
貯金はどんどん減っていくし、いつ改善されるかが分からないので将来が不安です。
こうした状況が何か月も続くと、単純に辞めたいと思ってしまいます。
行政書士は、資格の名前だけでは食べていけません。
営業して仕事を得る必要があります。
事務所にいるだけでは、電話もほとんどないですからね。
あっても、よく分からない怪しげな営業電話だけです。
人脈もすぐには広がりませんから、忙しく動き回っている割には、お金に結びついていないという状況になります。
将来がだんだんと不安になってくると、マイナス的なことを考える時間が増えます。精神的に不安定になることもあるので危険です。
今思うと、お金も人脈も事務経験もなしで開業しているのですから当然なのですが、当時はそんな風には思えないんですよね。
頼る人がいないとき
行政書士として初めての業務をするときに、辞めたいと思うこともありました。
頼る人がいなくて、どうしていいか分からないときです。
初めての業務は、とにかく分からないことが多いです。
いくら本で勉強しても、実務で分からないことは出てきます。
今でこそ、相談できる行政書士仲間は多いですが、開業して間もない頃は、先輩行政書士とも知り合ったばかりですから相談しづらいですよね。
分からないままだと、お客さんにも迷惑をかける可能性もあるから、絶対に何とかする必要があります。
八方塞がりな感じとプレッシャーで、それはもう大変でした。
大変な割に報酬が少ないとき
これも初めての業務のときに多いですが、大変な割に報酬が少ないということがあります。
多少は仕方ないですが、これが続くと辞めたくなります。
行政書士として実務をしていると、一日中走り回ったり、思った以上に時間がかかったり、プレッシャーが強かったりと体力的にも精神的にもきついときがあります。
そういったことが報われるほどの報酬がもらえればいいですが、時給になおすとごくわずかだったりします。ストレスがたまります。
行政書士は辞めないほうがいい
今でこそ言えますが、上記のようなことがあっても行政書士を辞めないことをおすすめします。
行政書士を続けていけば、いずれどの問題も解消されていくからです。
私の場合、開業してから1年ほどは辞めたいと思うことが多くありましたが、2年目以降は、ほとんど思わなくなりました。
まわりの環境が変わってきたからです。
仕事の依頼も徐々に増えてきて、相談できる信頼できる人もできました。報酬についても、失敗するごとに次の対策を考えていたので同じことの繰り返しにはなりませんでした。
行政書士仲間から聞いた「辞めたい」と思ったとき
私が聞いた中だと、顧客とのトラブルが多いです。
ここには書きませんが、顧客からかなり酷いことを言われていました。
顧客から酷いことを言われて、本気で行政書士を辞めることを考えたそうです。
ちなみに、その行政書士仲間の専門は「相続」です。
相続の場合、お金や感情などいろいろなものが絡んでいるから、他の業務よりそういったことが発生しやすいのかもしれません。
行政書士を辞めた同期の話
同期の行政書士が、開業後に1年もしないで辞めたこともありました。
理由は、行政書士の業務が自分には合わなかったということです。
行政書士の業務は、聞くのと自分でやるのでは違いますから、その差についていけなかったようです。
取扱業務の変更をすすめたりもしましたがダメでした。
この時期は、自分も他の同期も開業1年目で忙しかったこともあり、気が付いたら辞めていたという感じです。行政書士会から送られてくる会報で退会を知りました。
行政書士の廃業(退会)手続き
最後に、行政書士の廃業(退会)手続きについても少し書いておきます。
実は、行政書士を辞める手続きは結構簡単で、所属している都道府県の行政書士会に「行政書士登録抹消届出書」や「退会届」、そのほか行政書士登録した時に受け取った「登録証」や「会員証」などを返却すればOKです。それで行政書士ではなくなります。
行政書士の普段の業務からすると簡単ですよね。
ただし、できれば一生やりたくない手続きです。
こうした手続きをする前に、一度落ち着いてしっかりと考えることをおすすめします。その時の感情や勢いだけで廃業を決断すると必ず後悔しますからね。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。