今回は、「行政書士の資格」に関する記事です。
行政書士は意味ない資格なのか？
という疑問について、開業した経験から解説します。
行政書士試験の受験生の方など、取得に向けて頑張って勉強している資格を「意味ない」なんて言われたらショックですよね。
私が行政書士の資格を取得した後、本当に意味がなかったのか？役に立ったのか？など体験談も含めてお話します。
行政書士は意味ない資格なのか？
私自身は、職業にしているくらいですからね。
とても役に立っているし、意味ないとか無駄だとかは一切思いません。
しかし、ネット上では、行政書士は意味ないなんて言われているのも事実です。
そもそも行政書士には独占業務があるので、それだけでも十分に価値ある資格だとは思うのですが・・・
どうして、行政書士の資格が意味ないと言われているのか調べてみました。
- 誰でもとれる簡単な資格だから
- 行政書士は儲からないから
- 就職や転職の役に立たないから
- 行政書士として独立しても廃業するから
順番に説明します。
誰でもとれる簡単な資格だから意味がない
行政書士の資格って「簡単」だと思っている人が意外と多いんですよね。
これは間違い。
行政書士試験が簡単というのは、あくまで他士業の試験と比較したときの話です。
行政書士試験は「必要勉強時間：600～1,000時間」と言われている試験で、合格率も毎年10％前後です。そんな試験が簡単なわけないですよね。
受験資格が不要なので、誰でも受験はできますが、誰でも簡単に合格はしません。
私だって3回も受験しましたし…
ちなみに、ネットでは「簡単な試験だから稼げない」なんて意見もありました。
「資格の難易度」と「稼げるか」は、まったく別の話なので気にしてはダメです。年収が100万円以下の弁護士もいれば、年収が1,000万円以上の行政書士もいますからね。
行政書士は儲からないから意味がない
他士業と比較しても行政書士は数が多いです。
なので、仕事を取り合って儲からない印象があるのかもしれないですね。
平均年収も低いし、儲からないから意味がないと…
行政書士の年収は差が大きい
行政書士として仕事をするには、登録料や年会費やらで結構お金がかかります。
しかし、費用がかかっているとしても、行政書士の全員が全員、積極的に仕事をしているわけではありません。
- 行政書士の肩書だけ欲しい人
- 副業として行政書士をやっている人
など、意外と珍しくないくらいいます。
なので、年収の差がかなりあります。
先ほども言った通り、稼ぐ人は稼いでいるので、意味がないとは言い切れません。
就職や転職の役に立たないから意味がない
行政書士は、独立開業型の資格ですからね。
そもそも一般企業に就職や転職するのに、評価される資格ではありません。
なので、求人も少ないです。
意味がないというより、行政書士の資格の使い方が間違っていますよね。
試験に合格した能力は評価される
ちなみに、一般企業でも、行政書士試験に合格したという能力は評価してくれるところが多いです。
私も行政書士試験に合格後に、開業資金を貯めるために、いくつか履歴書に行政書士資格を書いて面接を受けてみましたが、意外なほどに褒められて採用された経験があります。
同じような人が面接に来た場合、少なくとも行政書士資格を持っている人のほうが評価が高いと思いますよ。
独立しないなら意味がないのか？
勘違いしないで欲しいのが、行政書士資格は独立開業しなかったとしても、意味ないものにはなりません。
- 行政書士事務所
- 他士業の事務所
- その他、関連する会社
これらの就職先では、評価され採用される可能性があります。
行政書士として独立しても廃業するから意味がない
これは、意味がなくなるかは「その人しだい」です。
やり方しだいでは、廃業は回避できますからね。
行政書士の独立開業は、
- 営業・マーケティングの勉強・実践
- 実務に必要な知識の吸収
これらは必須です。
その上で、人脈を広げていけば、廃業するなんてことはないです。
これまで10年近く行政書士をやってますが、これらを頑張っていて、廃業した人は見たことがありません。
ちなみに、いずれ「AI」の影響で仕事がなくなるという意見もネット上でみかけましたが、行政書士業務の一部がなくなるとしても、全部がAIに奪われることはありません。
行政書士業務には、依頼人とのコミュニケーションが必須な業務も多いですからね。さすがにAIでは処理しきれません。
行政書士資格を取得しても意味ない人
それは、行政書士の資格を「まったく使わない人」です。
さすがに、まったく使わなければ意味がありません。
ただし、行政書士の資格は保険になる
どういうことかと言うと、将来なんらかの理由で失業してしまった場合、行政書士の資格で独立開業して自分で稼ぐことができます。
行政書士の資格を使う予定がない人も、無職になった時の保険として使えます。事実、コロナ禍の影響で失業者が増えた年は、行政書士の登録者が増えましたからね。
行政書士の資格は、使う気がなくても、持っているだけで十分価値があります。
ちなみに、定年後に使う予定で行政書士資格を取得する人も少なくありません。ただし、実際に成功している人もいる一方で、軽い気持ちで開業して失敗している人もいるので注意しましょう。
