行政書士の資格で成功したいという方は多いと思います。そして、その成功するための重要な要素に、単価の設定をどうするかという問題があります。
近年、行政書士の数が増えていますので、地域によって価格競争が激しいところもあります。多くの行政書士が価格競争に巻き込まれ、無理に価格を引き下げている方も・・・。
今回は、行政書士として活動するのにあたって「単価を下げてお客さんを増やすという考えは正しいのか?」という質問について解説します。
果たして、価格を下げることによって顧客を獲得しようという考え方で、行政書士としてやっていけるのか?考えていきたいと思います。
開業して間もない行政書士向けの記事です。
参考になれば幸いです。
単価を下げてお客さんを増やすという考えは正しいのか?
たしかに単価を下げれば、お客さんからの問い合わせが増えると思います。「何よりも価格を重視する」というお客さんは一定数いますからね。
そして、問い合わせが増えれば依頼の数も増えるので、結果として売上は上がると思います。
しかし、注意して欲しいのは、行政書士の業務は価格が全てではないということです。実務では、価格よりも質が重視されることが多くあります。
単純に価格を下げればいいというような考えでは、行政書士として長続きできませんので注意が必要です。
安さよりも「安心感」や「信頼性」
行政書士の業務は、お客さんの置かれている状況を把握し、悩みを解決するために支援を行います。
またお客さんの大切な権利をしっかりと守り、法的な手続きを適切に正確に行うことが求められます。
なので、多くのお客さんは、安さではなく「安心感」 や「信頼性」を求めます。実際に実務をしていると、こうしたお客さんの方が圧倒的に多いです。
価格競争に無理に参加するより、実績やお客さんからの信頼を積み重ねていく方が、長期的に見て利益として大きいです。
行政書士業において値下げは必ずしも正しい戦略ではない
行政書士事務所が単価を下げるのは、行政書士としての成功を長い目で考えたとき、必ずしも正しい戦略とは言えません。
単価を下げることよりも、まずはお客さんに提供できるサービスを見直し、品質の向上に努めることが大切です。
それにより顧客との信頼関係を築くことができれば、周辺事務所との価格競争には巻き込まれなくなります。
無理に単価を下げると・・・
業務量と報酬のバランスが崩れて「大変だった割に稼げない」という状態になります。
この状態になってしまうと、簡単に値上げをするわけにもいかなくなり、行政書士の仕事をしていても楽しくないと思います。
実際に、こうした状態になってしまう行政書士事務所も珍しくなく、過去に私のまわりでもいました。
結局は、取扱業務を変更して、ゼロから別の分野の勉強をしていました。安易な値下げは、身を滅ぼすことになるので注意しましょう。
行政書士の単価はサービスの品質で考える
単価を決める際は地域の相場も大切なので、ある程度は考慮する必要がありますが、無理をしてまで下げる必要はありません。
そんなことをするくらいなら、サービスの品質を上げることを考えましょう。
高品質なサービスを提供できるようになれば、お客さんの満足度も高くなるので、多少 単価が高くても自然と口コミや紹介が増えていくことが期待できます。
知り合いの税理士の話
私の知り合いの税理士さんは、定期的にオリジナル新聞を作成して、顧問契約している顧客に配布しているそうです。
税金に関する情報を記載した新聞で「役に立った」「勉強になった」と、顧客から好評なんだとか。
実は、この税理士事務所は、顧問料が少し高いんです。にもかかわらず、年々顧問の数が増えているそうです。そのことは、顧問契約しているお客さんも知っています。
結局のところ、高品質なサービスを提供できれば、価格を下げる必要なくお客さんは増えていきます。行政書士業も同じです。
まとめ
今回は「単価を下げてお客さんを増やすという考えは正しいのか?」という質問について解説しました。
たしかに単価を下げればお客さんは増えますが、行政書士の業務は価格よりも安心感や信頼性が求められることが多いため、長い目でみたとき、単価を下げる行為は必ずしも正しい考えとは言えません。
なので、地域によっては価格競争が厳しいですが、無理に参加しないことをおすすめします。無理な値下げをしている事務所は、そのうちいなくなります。
それよりも専門分野を高めたり、独自のサービスを提供したりするなど、お客さんの満足度を上げる努力をした方が、結果的にお客さんが増えます。
そうして実績を作っていけば、お客さんが絶えることはありません。くれぐれも行政書士として安易に安売りをしないようにしましょう。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

