今回は、行政書士の「事務所」に関する記事です。
行政書士の資格で開業するのにあたって、
- 自宅兼事務所で開業するメリットとは?
- 自宅兼事務所で開業するデメリットとは?
という質問について、開業した経験から解説します。
事務所を「自宅兼事務所にするか」それとも「自宅とは別に借りるか」で悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。
どちらで開業するべきか分かります。
【行政書士開業】自宅兼事務所で開業するメリット
次のとおり。
- 賃借料がかからない
- 通勤時間がかからない
順番に説明します。
賃借料がかからない
自宅兼事務所で開業するにあたって、一番のメリットは「賃借料がかからない」ことです。
次のような人は、最初から自宅とは別に事務所を借りても問題ないです。
- 開業資金が豊富にある
- 実務経験がある
- 人脈がある
しかし、そうでないなら賃借料のかからない自宅兼事務所で開業するのがおすすめです。
私の住んでいる地域で事務所として使える物件を借りるなら、少なくとも月額賃料5〜6万円はかかると思います。これが1年間だと60万円以上になります。
開業して間もない頃は、収入は少ないうえ不安定なことが多いです。その状態で、年間60万円以上の出費を確定させるのは危険です。
できることなら自宅兼事務所で行政書士生活をスタートさせて、収入が安定してきたら、自宅とは別の事務所を借りることをおすすめします。
通勤時間がかからない
自宅兼事務所のメリットとして「通勤時間がかからない」というのも大きいです。
自宅とは別に事務所を借りた場合、少なからず通勤時間が必要になります。また、歩いて行ける場所ならいいですが、自動車や電車を利用する場合、交通費が必要になります。
自宅兼事務所で開業すれば、通勤時間も交通費も必要なくなります。先ほどの自宅とは別に事務所を借りたときの賃借料と合わせると、かなり大きな額になります。
【体験談】私が開業したときの事務所
私は、自宅兼事務所での開業でした。
理由は、上記に書いたとおりで開業資金を節約するためです。
多少無理すれば自宅とは別に事務所を借りる資金はありましたが・・・収入が不安定なうえ、実務未経験での開業でしたので、事務所にお客さんが来る予定がありませんでした。
そんな状態で事務所を借りても「もったいない」というより「無駄」ですよね。
なので、収入が安定するまでは事務所を借りるのはやめようと決めていました。
開業資金に余裕があるなら賃貸で借りたほうがいい?
取扱業務にもよりますが、開業資金に余裕があっても自宅とは別に賃貸で借りるのは、あまりおすすめできません。
開業資金に余裕があるなら、次の費用にあてたほうが有意義です。
- 交際費
- 広告費
順番に説明します。
交際費
交際費は、主に人脈を広げるために使います。
支部活動や懇親会、異業種交流会への参加など、人脈は広げれば広げるほど収入の安定につながるので費用をかけるのが正解です。
おそらく想像以上にかかるので、計画的に使ったほうがいいです。
広告費
また、広告費にもお金をかけたほうがいいです。
最寄り駅に事務所の看板を出してもいいですし、ネット広告を出すのも集客には有効です。
広告は、最初から上手くいくことが少ないです。ある程度の期間試して、改良しながら精度を高めていくので結構費用が掛かります。
開業と同時に事務所を借りた人で、後々、交際費や広告費に使えばよかったと後悔する人も少なくありません。
【行政書士開業】自宅兼事務所で開業するデメリットは?
次のとおり。
- 信用されにくい
- 紹介されにくい
- 気が休まらない
順番に説明します。
信用されにくい
自宅兼事務所では、信用されにくいです。
自宅とは別に事務所を借りた方がイメージもいいです。
仮に、同じ能力の行政書士がいたとしても自宅兼事務所のほうは選ばれません。
紹介されにくい
行政書士は、取扱業務の違う同業者や、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士などの他士業から、お客さんを紹介してもらうことがあります。
自宅兼事務所の場合、この紹介がされにくいというデメリットがあります。
自分が紹介する立場になれば分かりますが、お客さんがいたとして、「自宅兼事務所の行政書士」と「自宅とは別に事務所を借りている行政書士」がいた場合、どちらを紹介しますか?
「自宅とは別に事務所を借りている行政書士」を紹介する人が、ほとんどだと思います。
「紹介」は、紹介する方にも責任がありますから、できる限りしっかりとした人を紹介したいと思うのが普通です。
気が休まらない
「自宅」と「職場」が一緒だと、気が休まりません。
休日に、訪問してくるお客さんもいると思いますし、そんな時に備えて身だしなみもしっかりとしておく必要があります。
自宅とは別に事務所を借りていれば、こんなことはありません。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。