今回は、行政書士の「実務」に関する記事です。
行政書士の資格で開業するにあたって、
事前に準備しておくと実務で役立つことは?
という質問について解説します。
開業の準備をしている方向けの記事です。
【行政書士開業】事前に準備しておくと実務で役立つことは?
次のとおり。
- 官公署の場所を調べておく
- できることは何でも経験しておく
順番に説明します。
官公署の場所を調べておく
意外とやらない人が多いですが、官公署の場所は事前に調べておくと便利です。
急ぎの依頼でも、すぐに対応できますからね
急いでいるときに、官公署の場所を探すのは面倒です。それに、急いでいるときはミスをしがちです。なので、できる限り事前に確認しておくのがおすすめです。
事前に調べる場所としては、取扱業務にもよりますが、事務所の営業対応地域にある次の施設などです。
- 都道府県庁
- 市区町村役場
- 警察署
- 法務局
他にも、実務をするのに必要な場所があれば事前に調べておきましょう。スマホの地図アプリか、車のナビに登録しておくと便利です。
依頼に備えて、できる限りの準備をしておきたいという人は、どの施設でどんな書類を交付してもらえるかをまとめておくのも便利です。
ちなみに、「必要なときに調べればいい」という人もいると思いますが、事前にやることを少しでも減らしたほうが失敗はしません。
できることは何でも経験しておく
本当にこれ、おすすめです。
「できることは何でも経験しておく」というのは、私が行政書士登録の際に、事務所調査に来た支部長からのアドバイスです。
経験のないことをやるのは不安ですからね。一度経験をしておけば、次に同じことをするときは余裕が持てるというものです。
私は、素直に支部長の言うことを聞いて、次のような書類の交付を実際にやってみました。過去に交付申請したことがあるものもありますが、確認のために改めて行いました。
- 戸籍謄本・附票
- 住民票
- 登記簿謄本
- 地積測量図
- 固定資産公課証明書
- 名寄帳
全て、自分か家族のものです。
家族のものについては、委任状も作成しました。
この記事を書いている時点で思い出した交付申請した書類を書きましたが、許認可申請などもできることはすべて経験しました。
開業して間もない時期は、比較的時間に余裕のある人も多いと思います。そうした時間を利用して、できる限りの経験をしておくのがおすすめです。
自分と他人の手続きは違う
官公署等で行う手続きは、自分のものを申請する場合と、他人のものを申請する場合で、申請書の書き方や添付書類に違いが出てきます。
なので「意味がない」と考える人もいそうですが、そんなことはないです。
たしかに、自分のものと他人のものとでは、申請書の書き方や添付書類が違いますが、申請窓口の場所や交付されるまでの日数など、実際にやってみたからこそ分かったことがたくさん出てきます。
それだけでも意味はありますので、こうした書類の交付申請をしたことがない人はできる限り手続きを経験してみましょう。
官公署等に行った際に必ずやったほうがいいこと
それは「手引き」の確認と入手です。
官公署等では、許認可などの申請手続きを分かりやすくするために、手続きの「手引き」というものを作成してある場合が多いです。
まずは、その手引きがあるかの確認をしましょう。
そして必要なものなら入手しましょう。
私の事務所にも、手引きが何冊も置いてありますが、本当によくまとまっているので便利です。しっかりと手引きを読みながら申請書類を作成すれば、ほとんど不備のないレベルまで作成することが可能です。
ちなみに、官公署によっては、手引きが「有料」のものもあるので、窓口で確認してから入手したほうがいいです。
手引きを読んでも分からないことがあるとき
手引きを読んでも分からないことも出てきます。
そうしたときは、申請先となる官公署等に、電話で問い合わせるのがおすすめです。
確認をとるのが面倒かもしれませんが、適当に書いたり書かなかったりして 間違えるほうが、後々官公署まで修正に行ったりと面倒なことになります。
実務を覚えたいという人は、この手引きを徹底的に読み込むのがおすすめです。
実際の実務では
私の場合は、手引きを読みながら申請書類を作成して、分からないところに付箋を付けながら、とりあえず最後まで書類を書きます。
その後、窓口に電話で問い合わせて、付箋を付けた部分の確認をとっていきます。分からないことがすべてなくなったら完成です。
ちなみに、官公署等に問い合わせたときは、必ず電話で対応してくれた担当者の名前をメモでもいいので残しておきましょう。
これをやらないと、問い合わせて確認をとった部分が無駄になることがあります。「〇〇課の〇〇さんの指示です」と言えないと、こちらが勝手な判断で書いたと思われるからです。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。