私が行政書士の資格で開業してからだいぶ経つのですが、最近、新しく行政書士になった方から「開業1年目は、どんな感じでしたか?」といった質問を受けました。
今回は、私が開業1年目に感じたことや気づいたことなどをご紹介したいと思います。
行政書士になった初年度は、初めて経験することの連続だったので、今でも覚えていることがたくさんあります。嬉しかったことや苦労したことがたくさんありました。
これから行政書士を目指す方の参考になれば幸いです。
行政書士会への登録後
行政書士会への登録を済ませれば、行政書士として仕事をすることができるわけですが、行政書士は、試験に合格する知識が実務ではあまり役に立たないため、開業後に実務の勉強をする必要があります。
また、実務をするにあたっては、必要な書類や備品、集客するためのホームページなどの準備も必要です。
なので、行政書士会への登録後は、次のことをする時間が多かったです。
- 専門分野の勉強・情報収集
- 営業・マーケティング・集客の準備
- 行政書士会の研修会・勉強会
- 行政書士会の集まりへの参加
私の場合、どの分野を専門に行政書士をやっていくかは開業前から決めていましたが、行政書士としての知識を広めるために、専門分野以外の研修会や勉強会なども出来る限り参加していました。
業務の名前は知っていても、実際にどんなことをするのか知らない業務もあると思います。とても勉強になるのでおすすめです。
自分の専門外の相談があって、他の行政書士を紹介するにしても、その業務内容を多少知っていたほうが案内もしやすいです。
行政書士会の支部活動
行政書士会への登録が終わると、事務所のある地域の支部にも入会することになります。所属する支部によって差はありますが、様々な活動をしています。
私が所属した支部は、とても活動が盛んで、月に数回は何らかの集まりがありました。
そのおかげで、実務の経験がなく開業した私としては、実務で分からないときに相談できる先輩行政書士と多く知り合うことができました。
よく一緒に飲みにも行っていたので、質問がしやすかったですし、複雑な依頼の場合は、資料を持って先輩行政書士の事務所に、よくお邪魔して相談をさせてもらっていました。
行政書士として最初の仕事
行政書士として開業したら、すぐに電話がなって、依頼がきて、忙しくなると思っている方もいるかもしれませんが、実際は、開業後に営業活動をしなければ依頼は一切きません。
士業とはいえ、そんなに甘い世界ではありません。最初は、理想と現実がかなり違うことに戸惑うことが多いかと思います。
この時期に、依頼がなさすぎて、本当に行政書士としてやっていけるのか不安で自信をなくしてしまう方もいます。どのように集客をするか一番悩む時期だと思います。
最初の依頼をくれたのは
私の場合、最初の依頼は、家族から紹介してもらった不動産業者からでした。ちょうど宅建業の更新時期だったようで、開業祝いもかねて依頼をしてくれました。私自身も面識があった不動産業者だったので、とてもスムーズに手続きが進みました。
私が開業後に聞いた限りだと、最初の依頼に関しては、私のように知り合いから依頼をいただくケースと、ホームページやブログなどのネット経由で依頼をいただくケースが多いように思います。
どちらにしても、行政書士である自分の存在を知ってもらうという行動の結果なので、情報を発信するのがいかに大切なことか分かると思います。
何もしなければ何も起こりませんからね。事務所の電話の前で、ただ待っていても依頼がくることはありません。
私の場合は、この依頼をきっかけに営業やマーケティングに力を入れるようになり、徐々に依頼を受けることが増えていったという感じです。
依頼を受けた感想
最初の依頼を受けたときは、とても嬉しかったのを今でも覚えています。
宅建業の更新など経験がなかったので不安はありましたが、依頼人が知り合いということもあり、落ち着いて業務を進められたと思います。
また、依頼が終わった後のお客さんからの「ありがとう」の感謝の言葉は、言葉にできないほど嬉しく、次の仕事へのモチベーションになりました。
開業したらとにかく実務をやってみる
開業した初年度で思ったのは、とにかく「実務をやってみる」ということが大切だということです。
行政書士の場合、実務経験がない状態で開業する人が多いので、自信がないせいか営業やマーケティングよりも、実務の勉強を優先してしまう人が多いように思います。
しかし、勉強も実務をする中でやったほうが何倍も知識が吸収できます。
なので、ある程度、実務の勉強をしたら、勇気を出して依頼を受任するようにしましょう。その方が行政書士としての成長が早いです。
実務の勉強をしすぎない
専門家として最低限の実務の勉強は必要です。そうしないとお客さんに迷惑をかけてしまいますからね。ただし、勉強はしすぎないようにしましょう。
行政書士の業務は、どの業務も奥が深いです。完璧になるまで勉強をしていたら、依頼を受けるのがいつになるか分かりません。
なので、どの業務を専門にするにしても、最低限の基礎を学んだら、依頼をどんどん受けていきましょう。
コミュニケーションの大切さ
それと、行政書士は法律知識がどんなに優れていても、それだけでは食べて行けません。
人とのコミュニケーションが必要です。
どのような関係を築いていくかは、本当に大切です。
コミュニケーション能力に自信がない人は、積極的に人と関わるようにするのがおすすめです。コミュニケーションの向上は、経験を積むに限ります。
ちなみに、私が開業した1年目に知り合った多くの人は、現在でも付き合いがあります。ただ知り合いを増やすのではなく、良い関係を多く築くことが大切です。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。