これから行政書士を目指す方にとって、資格取得までの道のりは重要なものとなります。どのような道のりで行政書士を目指すかによって、取得の取りやすさや取得までの期間、開業後の方向性などが変わってきますからね。
行政書士は、法律系国家資格の登竜門と言われていますが、実際に開業して成功するためには、行政手続きや、営業やマーケティング、会計など幅広い知識が必要になります。
今回は「行政書士の前にとる資格は?」という質問について解説します。
行政書士に挑戦する前に取得することで、行政書士の資格取得がスムーズになったり、開業後に役立つ資格を紹介します。
行政書士の前にとる資格は?
おすすめは、次の3つです。
- 宅地建物取引士(宅建士)
- 社会保険労務士(社労士)
- 簿記
順番に説明します。
宅地建物取引士(宅建士)
一つ目は「宅地建物取引士」です。この資格を取得すれば、不動産に関する法律のほか、不動産の取引や手続きに関する知識も得ることができます。
行政書士の業務には、遺言や相続など、不動産と関わりが深い業務も多いですから、行政書士の資格で開業した際にも必ず役に立ちます。
ちなみに、宅地建物取引士の試験科目には「民法」があります。
民法に関しては、行政書士の試験でも出題されますので、宅地建物取引士の勉強の際にしっかりと理解しておけば行政書士試験の勉強時間を節約できます。
宅建士を取得している行政書士は多い
私も行政書士の資格を取得をする前に、宅地建物取引士の資格を取得していました。宅地建物取引士の取得は、受験科目の重複のほか、試験に合格したことで「やればできる」と自信につながるのでおすすめです。
ちなみに、私も開業してから知りましたが、行政書士で宅地建物取引士の資格を持っている人は多いです。
宅地建物取引士を登録している人はそれほどいないと思いますが、試験に合格している人は驚くほど多いです。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労務や人事、社会保険に関する業務を行う資格です。行政書士と難易度が近い資格でです。
行政書士とのダブルライセンスで開業する人も多く、他の行政書士事務所との差別化ができるだけなく、高い相乗効果が期待できます。
私のまわりでも、社労士と行政書士のダブルライセンスでの開業者が多くいます。
社労士の資格をメインの業務として使って、行政書士の資格を補助的に使う人が多いですが、その逆もいます。どちらにしても相性がいいので、ダブルライセンスで開業するなら社労士はおすすめです。
好きな業務を専門に
ちなみに、先ほどの行政書士の資格をメインに使って、社会保険労務士を補助的に使っている人は私の知り合いです。
その人は、社労士のほうが難易度が高いとか、社労士業務のほうが稼げるとか関係なく、ダブルライセンスで開業したところ、行政書士のある業務に魅力を感じて行政書士業がメインとなったそうです。
その業務は、相乗効果という点では微妙なところで、まわりからは「もったいない」と言われているようですが、本人は好きな仕事ができて満足しているそうです。
利益を追求するのではなく、自分がやりたいようにできるのも、独立開業の魅力ですよね。
簿記
行政書士の前にとる資格としては、簿記の資格もおすすめです。簿記の資格には階級があり、取得するなら日商簿記2級以上が欲しいところです。
行政書士の業務の中には、会計知識を活かせる業務があるので、簿記の資格を取得しておけば、行政書士の資格で開業後に役に立ちます。
また、簿記の試験で得た知識は、確定申告の際にも役立ちます。税理士に依頼するなら別ですが、開業して間もない行政書士は自分で確定申告する人が多いと思います。経費の節約にもなるのでおすすめです。
行政書士の前に法律の基礎を学びたい
行政書士の資格を取得する前に、法律の基礎を学びたいという方は、ネットで「法律基礎講座」などを受講することが可能です。
その場合は、講座を実施している企業が信用できるところなのか、しっかりと調べてから受講を判断しましょう。
中には、高額な受講料をとるわりに内容が薄い講座もあります。口コミを調べるなど裏付けをとりましょう。
ちなみに、最近はyoutubeで、こうした法律の基礎を教えている人もいます。中には、とても教え方が上手で、参考になるユーチューバーもいますので探してみてください。
まとめ
今回は「行政書士の前にとる資格は?」という質問について解説しました。おすすめは、宅地建物取引士、社会保険労務士、簿記の資格です。
この記事では、上記の3つの資格をご紹介しましたが、行政書士の業務は多岐にわたっているため、行政書士の前にとる資格は他にも多くあります。
- 行政書士試験の勉強に役に立つ資格
- 行政書士開業後に実務で役に立つ資格
上記のどちらかに当てはまる資格であれば、取得しておいて損はありません。
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。